成人病
成人以後、老年になるにしたがって増えてくる疾患をまとめて成人病といいます。その発症には、誤った生活習慣が深くかかわっていることから、「生活習慣病」と呼ばれることもあります。主な成人病には、動脈硬化、高血圧症、心臓病、悪性腫瘍、糖尿病、通風、その他、骨の退行性変性などがあります。なかでも特に、ガン、心臓病、脳卒中を、三大成人病と呼びます。
成人病は、40代~65歳の働き盛りに多く、厚生省人口動態統計によると、この年代の死亡原因の約66パーセントを占めています。しかもその割合は、年々増えてきているのです。たとえば、厚生省人口動態統計によると、1950年の主要死因は、1位が結核、2位が肺炎および気管支炎、3位が脳卒中で、4位にガン、6位に心臓病が続いていました。ところが、1990年代以降、1位はガン、2位は心臓病、そして3位には脳卒中となり、肺炎および気管支炎は4位に、結核は不慮の事故や自殺、肝硬変よりも少ない8位になりました。(厚生省人口動態統計より)
脳卒中については一時期1965年ごろにピークとなったとものの、その後減少傾向にあります。とはいえ、これはあくまで死亡率が減ったということにすぎず、患者数はむしろ増えています。医療技術が進歩したことで、たとえ発症しても死亡するまでにはいたらなかったというケースが多くなったからです。
また、ガンと心臓病については、いまだ増加し続けています。しかもその増加ペースは一向に衰える気配がみられません。病気になってしまってからではなく、予防が重要な意味をもっていると思われます。